あるフランス人が自由について論じた。自由ということを哲学的にはもちろんのこと、歴史的、政治的、経済的、ありとあらゆる観点から考察を加えた。その上で、自由には二つの異なる意味がある、という結論に達したという。この論文には自由ということの二つの意味を決して混同しないように精緻な議論が進められているという。この自信作を一読したイギリス人がつまらなそうに一言、freedom と liberty は違うに決まっているじゃないか。こんな話を学生時代に聞いたことがある。大して面白い話ではないのだけれどなぜか印象に残っていて時々思い出す。
何事につけ言葉の定義が重要であることはよいとして、確かに自由という言葉は人により勝手気ままな意味で使われることが多いようだ。新自由主義が語られ、競争原理の導入とか、説明責任、透明性の確保、いずれも大学を取り巻く世間から大学に対してもいわれていることではある。いずれも一見ごもっともなことばかりで、時には、お前は何なんだ、と聞いてみたい気もするけれど、攻撃者は自由の旗手であり、当方の申し分を聞かない自由を堅持しているから話にならない。自由は人の数だけその定義があるらしい。
まじめに考えなくてはいけないことは、競争原理の導入が規制強化と裏腹に行われようとしている現実である。国立大学の法人化問題がどんな結末を迎えるのか、未だ予断は許さない。一方、先行して独立行政法人化した諸機関の話を聞くと、法人化によって獲得したものは自由と言う名の新しい規制強化であるように思えてならない。「あなたは自由です。だから私たちの要求に応じる必要はありません。私たちの要求に応じようと拒否しようと財政的には自立することができる自由が、あなた方にはあるのですから。」
最近、競争原理の導入の名の下に、東京都立高校の学校群制度を廃止するという議論がある。結論の是非はともかく、これまで、学校群の名で行われてきた規制は何なのだろう。このことについては誰も責任はとらないということはまだしも、東京都の高等学校が学校群という制度のぬるま湯に使っていたことが問題であるとも言わんばかりの議論には腹が立つ。大学入試制度についても同じだ。某大学で起きた不祥事などで気分的には物が言い難くなっているが、とにかく入試を複雑にしたことが第一の原因である。このことは大学の勝手が招いたことであると言わんばかりの報道には腹が立つ。何に付けだれも責任をとろうとしない。腹を立てているばかりでは仕方ない。自由の話に戻ろう。
以前、数学の試験に「ランチェスターの2乗法則について自由に論じよ」という問題を出したら、恐らく授業に出席していなかったと思われる学生が、「自由に論じろというのだから、自由について論じる」、という答案を提出したことがあった。自由についてなにが論じられていたのか全然覚えていない。多分注目すべき論説ではなかったのだろう。どんな成績を付けたかも忘れてしまった。
これだけ自由に自由について書いた責任上、私の自由の定義を述べる自由を行使しよう。自由とは、自分で決め、自分で実行し、自分で責任をとる、ことである。こんな定義で政治的な自由はどうなるのだ、経済的な自由をどう考えるのだ、というような難しいことは聞かないでください。数学の世界で生きていくためにはこれで十分だと思っているのですから。とりわけ、自分で責任をとることができる自由、この自由を貫徹することができる数学という学問はすばらしい、と私は信じているのですから。そうです、私はたった一つの例外を除いてすべての面で自由です。たった一つ、時間の自由を除いて。
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| ☆転入 | |||
| 異動年月日 | 氏名 | 新官職 | 旧官職等 |
|---|---|---|---|
| 13.4.1 | 宮岡 洋一 | 大学院数理科学研究科 教授 | 京都大学数理解析研究所 教授 |
| 13.4.1 | 斎藤 義久 | 大学院数理科学研究科 助教授 | 広島大学大学院理学研究科 助手 |
| ☆転出 | |||
| 異動年月日 | 氏名 | 新官職 | 旧官職等 |
| 13.4.1 | 大鹿 健一 | 大阪大学大学院理学研究科教授 | 大学院数理科学研究科 助教授 |
| ☆転入 | |||
| 異動年月日 | 氏名 | 新官職 | 旧官職等 |
|---|---|---|---|
| 13.4.1 | 荻原 隆治 | 教養学部等総務課課長補佐 | 宇宙船研究所総務主任 |
| 13.4.1 | 相川 光子 | 教養学部等図書課数理科学図書掛 | 教養学部等図書課総務掛 |
| 13.5.16 | 武藤 智子 | 教養学部等総務課数理科学総務掛 | |
| ☆転出 | |||
| 異動年月日 | 氏名 | 新官職 | 旧官職等 |
|---|---|---|---|
| 13.3.31 | 小杉 雄二 | 定年退職 | 教養学部等総務課課長補佐 |
| 13.4.1 | 池澤 順 | 教養学部図書課整理掛 | 教養学部等図書課数理科学図書掛 |
| 13.5.31 | 大室 佳奈 | 辞職 | 教養学部等総務課数理科学総務掛 |
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宮岡 洋一 教授
2001年4月1日に京都大学数理解析研究所から転任してまいり
ました。
以前駒場にいたのは学生時代、もうかれこれ30年前、学生運
動はなやかなりしころです。5号館7号館の汚さや生協食堂のま
ずさはともかく、そのころと比べると駒場キャンパスもずいぶ
ん変わりました。なんといっても一番めざましいのは、すこし離れ
たところにある先端研でしょうが、二番手は数理の建物かもし
れません。
私の専門分野は代数幾何です。東大にはすでに川又雄二郎氏
をはじめ代数幾何の専門家はたくさんいるのですが、各人研究
の志向する方向は違っていますから、わたくしにも存在価値は
ありそうです。現在は高次元の複素代数多様体を研究していま
す。だんだん問題が難しくなる一方で困るのですが、複素多様
体論的観点(双正則幾何)や微分位相幾何的手法(概複素構造、
シンプレクティック構造)を、純代数幾何的な方法とからめて
用いることで新しい方向が開けてくるのではないかと考えてい
ます。理論物理から発生した問題にも関心があるのですが、元
来のモチベーションはともあれ、代数幾何の立場から見ても意
味あることをやりたいものです。
京都に在籍していた8年間は授業をもつ義務はなかったので、教
育現場での勘が鈍くなっているのではないかと心配して
います。国立大学の法人化という大嵐が吹き荒れるなか、な
にかとご迷惑をかけることもあろうかと思いますが、よろしく
お願いします。
斎藤 義久 助教授
最近は東大数理でも留学生が増えてきましたが,そのほとんどは大学院生であり,
学部の留学生はめったにいません.現在数学科4年生にはモンゴルからの留学生,
オトゴンバヤル君がいますので,彼に記事を書いてもらいました.
オトゴンバヤル=ウーイェーさん
東大には,大学院生学術研究奨励金というものがあり,大学院生が海外の学会などに行く旅費を援助しています.情報は,
http://adm.ms.u-tokyo.ac.jp/groups/daigakuin/scholarshipJ.html
の一番下にもありますが,毎年,春と秋の2回締め切りがあります.数理は独立研究科として申請が通りやすくなっているので,ぜひ皆さんこぞって応募してください.去年の申請で通った勝良健史君(博士課程1年)の記事を掲載します.
勝良 健史さん目次へ
例年,数理では転任、定年の教職員のために3月送別会が行なわれています。
平成13年4月20日新入生歓迎会
当日は、新入生はもちろん新入生を歓迎する先生・先輩方など大勢の人が集まり、
女性事務職員による手作り料理で盛り上がりました。
駒場キャンパスでは、自分たちの建物の周りを掃除する「環境整備」という行事があります。今年は5月28日に教職員・学生が参加して行なわれました。
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